1986
1986年11月21日、八戸市の中心市街地である番町に八戸市美術館は開館しました。青森県内で最初の博物館法に基づく美術館であり、八戸市博物館の分館として設置されました。それは、もともと八戸税務署だった建築を美術館に改修したものでした。
1986
開館当時の⼋⼾市美術館(1986)
「八戸の戦後画壇」展示風景(2016)
2017年4月2日に閉館するまでの約30年の間に、数多くの展覧会を開催しました。コレクションを活かした展覧会や、国内外のアーティストを紹介する展覧会など、幅広いジャンルの美術品を展示してきました。また、地域ゆかりの美術品の収集と保管にも努め、閉館までに約3,000点ものコレクションを収蔵するに至っています。
市民が展示室を借りて個展やグループ展を開催するなど、芸術活動の発表の場としての役割も持っていました。また、教育普及にも力を入れており、ギャラリートークはもちろんのこと、子どもから大人まで楽しめる創作講座を開催しています。
年賀状版画教室(1997)
親⼦でフィンガーペイント(2006)
南郷アートプロジェクト(2015)
八戸工場大学(2018)
「八戸ポータルミュージアム はっち」(2011)の開館をはじめ、八戸市では「アートのまちづくり」の推進が始まりました。その一環として、「南郷アートプロジェクト(2011〜20)」、「八戸工場大学(2013〜20)」といったアートで地域を再発見するプロジェクトを始動させます。
このようななか、美術館は2011年に教育委員会からまちづくり文化観光部(当時)へと所管が変わり、まちづくりの役割も担うようになりました。活動が多様化するなか、長らく使われてきた美術館の建築物には、耐震性の問題や、収蔵・展示環境拡充の必要性が生じてきました。また、2015年3月には市民団体から提出された新美術館の建設を求める陳情書が議会で採択されるなど、市民からも八戸市によりふさわしい規模と機能を持つ美術館設置を求める声が上がります。
設計者選定プロポーザル(2017)
設計者による関係者プレゼン(2017)
2016年4月、本格的な新美術館整備が始まりました。青森銀行八戸支店新店舗の整備と合わせた一体的な協調開発を行うことにより事業用地を拡大するとともに、新しい美術館のビジョンを示す八戸市新美術館整備基本構想を策定し、公募型プロポーザルにより西澤徹夫建築事務所・タカバンスタジオ設計共同体を設計者として選定しました。その後は、専門的な知識や経験を持つ有識者とともに、実際に美術館を使う市民からの意見を取り入れながら整備を進めていきました。
建設中の八戸市美術館(2020)
2021
そして、2021年11月3日、八戸市美術館は生まれ変わって開館しました。